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  • 包材の種類と特徴から選び方をご紹介! 業界別の包材の選択事例も

包材とは

包材とは、内容物の保護や運搬等に使用される資材で、物を輸送・保管するための工業包装と、商品の販売促進機能を持つ消費者包装の2種類に分けられます。まずは2種類の包装について詳しく解説していきます。

消費者包装

消費者包装は、消費者の手元に商品を届けるときに使われる包装資材で、製品の魅力を最大限に引き出し、購買意欲を高めることなどを目的に使用されます。包装形態は個装が多く、中身の品質保持が最優先ですが、見栄えを良くしたり、ブランドイメージを付与することで商品や企業のブランディングにつなげることに使用されることも多くなっています。
包装材料は金属缶、ガラス容器、軟包装、カートン、プラスチック容器などがありますが、保護性、デザイン性以外にも、衛生性、利便性、また最近では特に環境配慮を意識して包装材料を選定することが求められています。

工業包装

工業包装は、物品の輸送・保管を目的として使われる包装資材です。外装および内装の包装形態となっていることが多く、内容物の保護が最優先の目的となり、その他にコストダウンなどの機能が求められます。包装材料には主に段ボール、木箱、コンテナなど多種多様な包材が使用され、製品の大きさや形状、特性に合わせた包装資材を使用することで、損傷などから守り、高品質を保つことができます。また、工業包装はコスト削減も求められるため、内容物の保護を最優先としながらも、物流効率を改善できる包材や、長期間使える強度のある包材などを検討する必要もあります。

包材の種類と選び方

包材の種類と選び方に関して紹介します。主な包材の種類としては以下の6種類があります。

紙は、液体紙パックや紙トレーなどの食品のほか、化粧品や電子機器類の外装箱などに幅広く利用されている包材です。 紙は安価で軽量、カスタマイズや印刷のしやすさがあるほか、リサイクル性能や生分解性が高いことから環境配慮につながる包材の原材料といえます。 一方で、耐水性や耐油性が低いことから耐久性の面で劣り、保護性が低くなります。紙は軽量な商品、環境に配慮したいとき、一時的な包装などに向いている包材でしょう。 また撥水加工や耐熱・耐油加工などを施すことで耐久性を高めることができます。

プラスチック

ポリエチレンやポリプロピレンといったプラスチックを原材料とする包材は、食品から医薬品、日用品、産業製品まで幅広く利用されています。

 

プラスチック包材は防水性やバリア性、耐熱性などを施し、耐久性を高められるのが特徴です。また柔軟で軽量といった利点もあります。

 

ただし、生分解性が低く、廃棄された後の環境への悪影響が課題です。またリサイクルは可能ですが、一部のプラスチックはむずかしいという課題もあります。

 

また耐熱性を施さなければ、溶解や変形を起こす可能性があるほか、内容物に合わないと劣化や破損などの品質を損なうリスクがある包材であることは把握しておく必要があります。

金属

飲料缶や食品の缶詰などの包材には鉄やアルミなどの金属が用いられています。金属の包材は強度に優れ、耐久性の面で非常に高い性能を発揮します。また耐火性・防水性・密封性などにより光や水、酸素から内容物を守るため、長期保存に適した包材です。

 

リサイクル性が高いことから、環境への負荷を軽減します。高級感があるという利点もあります。

 

一方、金属は重さがあるため運搬にはあまり適していません。原材料コストが比較的高額になりがちで、加工のしにくさやサビのリスクなどもあります。

 

金属製の包材は、耐久性が求められる商品や保存を追求する際の食品、高級品などに適しています。

ガラス

ガラスの包材は、主に液体の保存容器に使われています。飲料や食品、化粧品などが挙げられます。ガラスは透明性が高く堅牢で耐久性や防水性に優れています。またリサイクルも可能であり、環境への負荷が低くて済みます。

 

一方、ガラスの包材は割れやすさ、重さ、割れたときのケガのリスク、原材料コストが比較的高額になりがちといった欠点もあります。

布製の包材といえば、よく利用されるのが不織布です。洋服の包装をはじめとした内袋や中袋が代表的で、ギフト用に使われることもあります。やわらかく内容物にフィットしやすいため、商品を保護する力も多少あります。再利用も容易であるため環境負荷も低い包材といえるでしょう。

 

一方で、不織布の場合は耐久性が低く、摩耗するため、繰り返し使用しにくいという欠点があります。また保護性はどうしても限界があります。

生分解性プラスチック

生分解性プラスチックとは、微生物によって水と二酸化炭素に分解され、土に還ることのできる素材です。近年は、プラスチックの環境問題に関心が集まっていることから、生分解性プラスチックの開発が進んでおり、包材に使用されるケースも少なくありません。
プラスチックと比較して環境負荷が下がるほか、柔軟に形状を変更しやすいというメリットがあります。

 

このように包材にはさまざまな種類があり、内包物や用途により適切な素材の包材を選ぶ必要があります。

業界別の包材の選択事例

業界によって、商品の特性や流通環境などが異なることから、包材の選択も変わってきます。そこで食品、化粧品、電子機器の3つの業界それぞれの包材の選択事例をご紹介します。

食品業界

食品業界においては、食品ロスやプラスチック規制への対応、包装資材の安全性などのトピックスがあります。このことから、食品メーカーの中には、これまでの包材を見直し、新たな包材に代替するところもあります。

 

ある大手食品メーカーは、自社製品のチョコレートに利用していたプラスチックの包材を紙パッケージに変更しました。これにより、約1年で累積400t以上ものプラスチック使用量を削減しました。

化粧品業界

化粧品業界の包材周りのトレンドは、食品業界と同様に脱プラスチックによる環境配慮や持続可能性などの「エコ」が中心的になっています。環境に優しいパッケージへの切り替えが進められています。例えば、紙素材をはじめ、リサイクル可能なプラスチック容器、竹やガラスを利用したパッケージなどが採用されています。

 

また、ある大手化粧品メーカーは、2025年までに100%サステナブルな容器を実現するという目標を掲げており、容器の軽量化、リサイクル可能な単一素材容器の展開、生分解性樹脂の利用、つめかえやつけかえ容器の制作・推進などに取り組んでいます。

電子機器業界

電子機器業界においては、偽造防止に強い需要が生まれており、包装にはバーコードやホログラム、無線周波数識別装置などの技術を取り入れるなどの取り組みが進んでいます。また、環境に優しい包装も推進されています。

 

ある海外の電子機器メーカーは、クラムシェル包装という真空成形して製造したプラスチック容器を、紙材料を用いて作られたプラスチックトレイへと変更しました。新パッケージは環境配慮につながっただけでなく、従来よりも開封しやすくなり利便性も向上しました。

コストとパフォーマンスのバランスがポイント

今後、どのような業界でも包材の種類を新しいものに代替する際には、押さえておきたいことがあります。

 

それは、コスト効率と商品の保護性のバランスについて検討することです。

 

包材選択の際には、包装設計の見直しを検討すると思われますが、まずは見直しの目的を明確にして、その目的を果たすためにコストと機能のバランスを取りながら設計していくことが重要です。

 

当然のことながら、環境配慮の包材を選択したとしても、商品の保護性が損なわれてしまうことは歓迎できません。包装はパフォーマンスが大前提です。

 

また環境配慮の目的を据え、保護性も高い包材を新規で開発するといった場合に、開発コストが高くなりすぎるのも懸念があります。

 

包材選択の際には、ぜひコストとパフォーマンスのバランスを重視することをおすすめします。

包材の未来の展望

今後、包材はさらに進化していくでしょう。

 

近年は、包装に先端技術を用いて消費者へ付加価値を提供する「スマート包装」が注目されています。食品の鮮度を保つセンサーの搭載やQRコードによる情報提供、リサイクル性のある素材の活用など、付加価値は多岐に渡ります。

 

持続可能な材料の開発も進んでいることから、今後は各社がオリジナルの付加価値をつけた包装を生み出していく流れがさらに強くなっていく可能性があります。

 

プラスチック規制への対応、持続可能性の追求、技術革新などに対応するための戦略を立てて、最適な包材で商品を届けましょう。

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