包材とは?ー定義と概要
包材とは、包装資材もしくは梱包資材の略称で、商品などの内容物を入れる容器やトレー、フィルム、パウチなどを指します。 包材は多様なシーンで利用されていますが、シーンごとに工業包装と消費者包装(商業包装)に分かれます。工業包装とは物の輸送や保管を目的として使われる包装であり、使用する包材の機能性としては商品の保護性が重要になります。またできるだけ包材のコストを安価に抑えることも必要です。 消費者包装は、消費者の手元に届けるまでに必要な機能を備えた包装です。いわゆるパッケージと呼ばれるものです。使われる包材は、内容物の保護はもちろん、運搬および装飾などのために商品の価値を向上させるために使われます。 包材の資材の種類は内容物によって最適なものを選択します。主な種類を見ていきましょう。
包材の資材の種類
- プラスチック
- 紙
- 金属
- ガラス
- 段ボール
- 木
工業包装では、主に段ボールや金属缶、木などが使われます。消費者包装では、プラスチックや紙、金属缶、ガラスなどがよく使われています。
包材の中でも紙やプラスチックフィルム、アルミ箔、布などやわらかく軽いものを特に軟包材と呼びます。
包材の使用用途とは
包材はどのような用途に使われているのでしょうか。包材が使用される用途例をご紹介します。
生鮮食品の包装
スーパーなどでも見かけるように、野菜や果物はポリ等で包装されていることがほとんどです。野菜や果物は、鮮度が重要になるため、鮮度を維持したり、空気や虫などから守ったりするために包材が使用されます。さまざまな野菜や果物がありますが、呼吸をよくする野菜、あまりしない野菜、乾燥しやすい・しにくい、蒸れやすい・蒸れにくいなど特徴もそれぞれ違うため、野菜や果物に適した包材を選ぶことが重要です。また色味やサイズも違うため、美味しく見えるパッケージデザインを検討することも必要になります。
お菓子などの包装
お菓子の包装には、フィルムにデザインが印刷されているタイプのものや、用途に応じて脱酸素剤の使用に対応した袋、耐寒性・耐熱性のある袋などが使用されます。お菓子の種類も幅広いため、お菓子それぞれの特長にあわせた包材を選ぶことが重要です。また、こだわりポイントを訴求したり、手に取ってもらいやすいパッケージや、デザインにすることで購買につなげていくことも可能です。
段ボール
身近なもので言えば、物の発送や、引っ越しなどで使用される段ボールも包材の一つです。割れやすいものを段ボールに物を入れる際に使用する、プチプチと呼ばれるポリエチレン製の緩衝材や、紙の緩衝材なども包材に含まれます。
段ボールは、汎用性が高く、例えば表面に商品名や会社名を印刷し広告媒体としても使用するなど、人によってさまざまな活用方法があります。
包材の基本機能
包材には、主に次の4つの基本機能があります。
保護機能~商品を損傷から守る
包材の一つ目の機能は、内容物である商品を損傷から守るための保護機能です。例えば食品包装については、生産、包装、流通、消費の過程において、衝撃や振動など、時に過酷な環境に置かれ、ダメージを受ける恐れがあります。
保存機能~商品の品質を保持
品質保持の観点からも、商品の価値を最大限に消費者へ提供できるように、またより長い期間に渡って提供できるように、内容物をしっかりと保護することが重要です。
特に食品については、包材そのものが内容物に直接触れることから、食品を変質させたり、傷つけたりと品質を低下させることのない資材を選択する必要があります。
輸送機能~物流効率を高める
包材の輸送機能とは、いわゆる運びやすさです。流通上、輸送や保管、店舗での陳列などの際に、できるだけ効率的に作業ができるようにする必要があります。例えば、複数の商品はまとめて一つの段ボールに効率的に梱包できる形状の包材にするなどすれば、トラックなどへの積載効率が上がり、物流効率が高まります。
販売促進機能~商品の魅力を伝えるデザイン
消費者包装は、販売促進機能も重要です。パッケージは商品の魅力を伝える包材のデザインにすることで、商品の価値を向上させたり、内容物の理解が促進されたりして、消費行動につながります。包材はいわゆる商品の顔となる重要な役割も担っています。
包材が担う役割
包材はただ商品を包む基本機能だけではなく、次のような重要な役割も担っています。
ブランドイメージとの整合性を保つ
包材は、商品の顔とお伝えしましたが、ただ販促につながるだけでなく、包材のデザインによってブランドイメージが消費者に根付きます。自社が伝えたいブランドイメージと商品との整合性を包材が担っています。
環境への配慮とサステナビリティの訴求
近年、地球温暖化への影響からプラスチック容器の使用が問題視されており、包材などの脱プラスチック化が進められています。また企業はSDGs(持続可能な開発目標)やESGへの関心の高まりからサステナビリティを追求するために、包材を地球環境にやさしい紙製やバイオマスプラスチックといった資材に変更する動きがあります。
環境にやさしい包材を選択することは、消費者や投資家などのステークホルダー全体に対して環境への配慮とサステナビリティを追求している姿勢をアピールできます。
コストパフォーマンスの実現
包材をどう工夫するかによって、商品のコストパフォーマンスが変わってきます。例えば、消費者が購入後、長年に渡って保管できる缶詰は、包材としてコストパフォーマンスが高いといえます。消費者に提供する価値と価格とのバランスを包材が担います。
法規制と安全性への対応
食品包装については、食品安全基本法や食品衛生法、各種業界の自主基準などの法規制があり、衛生面と安全面への配慮が求められます。包材は食品の安全を守るための重要な役割を担っています。
包材選択の現代的な課題
包材を選択するに当たっては、次のような現代的な課題があります。
環境問題への配慮からエコフレンドリーな資材である必要性
近年、プラスチック規制や消費者の環境への意識が高まっていることから、包材の資材についてはエコフレンドリーなものを選択する必要があります。例えば、紙やバイオマスプラスチック、海洋分解性プラスチックなどの包材を選択し、地球環境保護の意識が求められます。
リサイクル可能な素材の利用を推進する必要性
包材を新しい資材に代替する意識だけでなく、プラスチック資材をいかにリサイクルやアップサイクルを行うかという観点も重要です。
グリーンマーケティングと消費者ニーズを考慮した選択
マーケティングのシーンでは、「グリーンマーケティング」が推進されています。グリーンマーケティングとは、企業が消費者に対して、環境配慮の商品を開発する以外のところで、資源の節約やリサイクル活動、生態系の保護といった活動を行うことで、その活動内容を消費者にアピールするマーケティング手法です。
これらの取り組み自体は企業の社会的責任の範囲内で従来から行われてきましたが、近年は消費者の環境意識の高まりから企業へそうした活動を求めるニーズも増しています。そのような消費者ニーズに積極的に対応していく活動を指しています。
新たな包材を選択する際には、グリーンマーケティングの一環となるような意識も重要といえます。
企業が包材を選ぶ際のチェックポイント
新たな包材の導入を検討するにあたり、検討すべき重要な要素として、次のことが挙げられます。
品質と耐久性の確認
先述の通り、包材には内容物を保護し、品質を保持する重要な役割があるため、内容物に応じてそのような包材の機能を十分に満たす資材である必要があります。
コストと予算のバランス
新しい包材に代替することで、資材そのもののコストが上がることがあります。予算とのバランスを見ながら代替することで、これまでの生産・供給体制も維持できるでしょう。
環境への影響評価
もはや環境配慮の視点は外すことができません。新しい包材を取り入れる前に、必ず包材の環境への影響を数値として客観的な評価を得ておくことを検討しましょう。消費者に対するグリーンマーケティングにもつながります。
ユーザー体験とデザイン
消費者が求める価値は、「モノからコトへ」変化しているといわれますが、包材を通した優れたユーザー体験はリピート購入やファンの醸成につながります。例えば、食品包装であれば長期保存可能、開けるとすぐに食べられる、小分け包装で使いやすい、持ち運びしやすいといった機能やデザインを実現することがポイントです。
まとめ
包材の基礎知識や役割、近年求められる包材選びの視点をご紹介しました。環境や消費者ニーズの大きな変化が起きている今の時代において、包材は幅広い視点で選ぶ必要があるでしょう。
丸信では食品軟包材を制作し、ご提供しております。貴社の求めるニーズに即した軟包材をご提案いたします。ぜひお気軽にご相談ください。