サプリメントパッケージに必要な条件
まずはサプリメントパッケージの開発にあたって、必要な条件を確認していきましょう。
まず最優先したいのはサプリメントパッケージの品質保持です。
遮光性
サプリメントに含まれるビタミン類や不飽和脂肪酸などのデリケートな有用成分は、太陽光や蛍光灯の紫外線に触れることで酸化や分解が進んでしまいます。これにより本来の効果が失われる恐れがあるため、特にサプリメントのパッケージには光を徹底的に遮断する性能が求められます。
また成分以外にも、サプリメントグミや成分を含んだ飴などは食感や風味も損なわれる要因となるため、遮光性はその点でも必要な機能といえます。
ガスバリア性(湿気対策)
一般的に「袋は水をはじく」といったイメージがありますが、実は表面には微細な水蒸気や酸素を通してしまう性質を持ちます。
ガスバリア性とは、酸素や水蒸気といった気体をパッケージの表面から透過させない性能を指します。
サプリメント、特に錠剤やカプセルはわずかな湿気でも変色や型崩れを起こしやすく、酸素に触れると油脂成分が酸化して異臭を放つ原因になります。
通常のフィルムでは袋の表面からも酸素や湿気が通ってしまうため、サプリメントのパッケージはアルミなどを用いた高度なバリア性を持たせることで外部環境の影響を最小限に抑え、製造時の新鮮な状態を保つ工夫がなされています。
再封性
一度で使い切る食品とは異なり、サプリメントは数週間から数ヶ月にわたり毎日少しずつ摂取する性質があるため、開封後にしっかりと密閉できる「再封性」が極めて重要です。
確実に封ができないと、隙間から外気や湿気が侵入し、内容物が変質して品質が劣化してしまいます。それに消費者が毎日ゴムで口を縛って…というのは面倒に感じ、サプリメントのリピート率にも影響を及ぼす可能性があります。
そのため、消費者が手軽に開口部を密閉できるチャック(ジッパー)付きのパッケージが主流となっています。
ピンホール耐性
ピンホール耐性とは、摩擦や折り曲げ、あるいは外部からの衝撃によって生じる「針で刺したような微細な穴(ピンホール)」の発生を防ぐ強度のことです。
輸送中や消費者の自宅で何か先端の尖ったものと一緒に保管され、何かの拍子にパッケージと接触しても穴が開きにくくなります。
また、皆様も折り紙をしたことはあると思います。折り目が何個も重なる箇所に穴が開いたことはあるのではないでしょうか?
パッケージに使われる素材も同様で、何度も同じ箇所が折れ曲がる・擦れると、そこが破れてしまいます。
ピンホール耐性は、こうした穴の発生を防ぐ機能と思っていただくとイメージしやすいと思います。
現在のサプリメント市場においては、これらの条件を満たす「チャック付きのアルミパウチ」がスタンダードとして広く用いられています。
アルミ箔を組み込んだ多層構造のフィルムを採用することで、デリケートな成分を守るための遮光性とガスバリア性、そして長期保管に欠かせない再封性を同時に実現できるためです。
さらに、大容量のプロテインなど重量のある粉末製品に対しては、引っ張りや摩耗に強いナイロン層やポリエチレン層を組み合わせてピンホール耐性を強化するなど、内容物の特性や重さに応じた最適な補強が行われています。
サプリメントパッケージの種類~素材別・形状別
サプリメントパッケージの種類を素材別、形状別にご紹介します。
形状
サプリメントパッケージの形状は「摂取シーン」と「容量」、「販売チャネル」で決まります。
・三方袋(平袋)
三方袋とは、フィルムを2枚重ね合わせて、底と左右の側面の3ヶ所を熱溶着(シール)したもので、気密性や密封性に優れています。
摂取数回分の量に小分けされた個包装(分包)タイプは、初回限定おためしセット・試供品などの少量包装に最適です。
近年ではサプリメントのEC販売はかなりメジャーな販売方法ですが、EC販売の場合外箱を極力小さくし、できればポスト投函可能なサイズにした方が輸送費が抑えられます。後述する底つきパウチでなく、メール便配送がしやすい薄型パッケージとして三方袋をあえて採用するサプリメントも多く見られます。
・スティック包装
1回分ずつ、細長い袋に小分けされた個包装(分包)ものを指します。
特に顆粒・粉末状、ゼリータイプのサプリメントで選ばれることが多く、開封すればそのまま口に流し込みやすいのが特長です。
また携帯性に優れ、液体サプリメントの外出・旅行時携帯用パッケージとして使われることもあります。
・スタンドパウチ(チャック付)
最も一般的なサプリメントパッケージです。
底がついていて自立するため、店頭で目立ちやすいメリットがあります。容量も多く入るため、1ヶ月分(30-60粒)をまとめるのに最適です。
・スパウトパウチ
ゼリー飲料やドリンクタイプ用のパッケージです。そのまま飲めるよう、プラスチックの飲み口が付いています。
素材
サプリメントパッケージには、次の素材がよく用いられます。
・遮光性と防湿性を最強にする「アルミパウチ」
アルミ箔の上下に、PET・ナイロン・などのさまざまなフィルム層を重ねた多層構造の素材です。
先述の通り、サプリメントのパッケージには遮光性・防湿性が求められますが、アルミパウチはアルミの層がしっかり光や湿気、酸素を遮断します。
また、パッケージ全面に高画質な印刷を施せるため、店頭でブランドイメージを訴求しやすいというメリットもあります。
遮光性と防湿性が最も高いことから、サプリメントのパッケージとして最も採用される傾向があります。
・中身を見せつつバリア性を持たせる「透明蒸着」
パッケージの一部または全体を透明にして中身を可視化し、消費者に製品の形状などを直接見せることで安心感を与えるのが「透明蒸着」フィルムです。
通常の透明な袋では酸素や湿気が素通りしてしまいますが、透明蒸着タイプには特殊なバリア層がコーティング(蒸着)されており、酸素や湿気から中のサプリメントを守ることができます。
これにより、中身が見えるというメリットを活かしつつ、サプリメントの品質維持に不可欠なガスバリア性などの保護機能もしっかりと確保されています。
・コストを抑える「アルミ蒸着」
フィルムの表面に、極めて薄いアルミニウムの粒子を付着(蒸着)させた素材がアルミ蒸着です。
よくスナック菓子の包装で見かけます。
純粋なアルミ箔を用いたアルミパウチにはバリア性能で一歩譲るものの、実用上十分な高い遮光性と防湿性を発揮します。
最大の特徴は、優れた品質保持機能を持たせながらも製造コストを安価に抑えられる点です。
中身は見えませんがフィルム特有の柔軟性があり、サプリメントのパッケージとしては大容量のプロテイン用パッケージ、粉末サプリメントの個包装、おためし用個包装などコストと機能性のバランスが求められる製品で幅広く活躍しています。
サプリメント目的・種類別 どのようなパッケージが適しているか
サプリメントの内容物によっても、最適な包装があります。主に3種類に分類してご紹介します。
・栄養補給系(マルチビタミン等)
いわゆるビタミン剤などの錠剤タイプのサプリメントです。このタイプのサプリメントは毎日継続して摂取する「習慣化」が鍵となるため、自宅に常備しやすい「チャック付きアルミスタンドパウチ」が王道です。スタンディングタイプであれば目立つところに設置することで視認性を高め、うっかり忘れてしまうのも防げます。
・美容・ダイエット系(顆粒・ゼリー等)
美容やダイエット目的で摂取するような顆粒やゼリーなどのサプリメントは、外出先やオフィスで飲むことを想定して、化粧ポーチ等に入る「スティック分包」や、小腹満たし用の「スパウトパウチ(ゼリー)」が人気を博しています。
・プロテイン・粉末系
プロテインや粉末は、規定量を水やお湯などに溶かして飲むタイプです。このような食品は1kg以上の大容量に対応できる、底マチが広い「ガゼット袋」が主流になっています。包装後に自重で自立するため、栄養補給系と同様に「習慣化」が可能になります。
サプリメントのパッケージ制作で知っておくべき「表示規制」と「トレンド」
サプリメントのパッケージ制作で知っておくべき「表示規制」と「トレンド」についてご紹介します。
表示規制
まずサプリメントに限らずすべての食品は、食品表示法に基づく「名称・原材料名・内容量・賞味期限・保存方法・販売者・栄養成分表示」などの一括表示は必須です。これらを配置するスペースをあらかじめ確保したレイアウトが必要です。
またデザインやコピーは薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)に抵触する表現はNGです。サプリメントは、一般の食品の一つであるため、医薬品のように効果効能や用法用量などを明示した記載は禁止されています。また保健機能食品については特有の表現に気をつけながら対応する必要があります。
このように厳しい制約があるからこそ、サプリメントにおいては「デザインによる補完」が極めて重要になります。 言葉で直接的な効果効能を謳えない分、パッケージ全体から醸し出される「視覚的なイメージ」によって、サプリメントの効果を直感的に伝える必要があるためです。
例えば、エナジー系サプリのパッケージデザインには活力や力強さを象徴する鮮やかな赤、スマートな肉体美を想起させるなら金と黒、美容系であれば透明感や潤いを連想させる淡いブルーやシルバーのグラデーションを多用するなど、色彩心理が持つ深層心理への影響を活用してサプリメントの特性を表現することができます。
また、モチーフやタイポグラフィでもサプリメントの効果を想起させることもできます。
成分が浸透していくような粒子状のグラフィックを背景に用いたり、水滴や植物のモチーフをあしらって成分の濃密さや鮮度を演出したりするなど、視覚的なテクスチャによってサプリメントを飲んだ後のポジティブな変化をユーザーに想像させることも可能です。
さらに、信頼性が求められる製品であれば、あえて装飾を削ぎ落とした医薬品に近い清潔感のあるタイポグラフィをパッケージに採用することで、言葉に頼らずとも誠実さや科学的な背景を印象づけることができます。
気をつけていても、法改正に伴う表示内容の変更やパッケージデザインの変更も多くあるため、対応が漏れてしまったり、どのように変更すべきかノウハウや知見がないこともあるでしょう。その場合は、専門機関や健康食品のパッケージデザイン制作の実績を持つ会社に相談し、規制を遵守しながら、適切な表示と魅力的な訴求を両立させることに努めることが重要です。
トレンド
・EC向けサプリメント用の平袋やチャック袋
近年、コロナ禍による健康志向の高まりやEC市場の活性化などを受け、サプリメントのEC需要が高まっています。また昨今のインターネットとスマートフォンの利用拡大や、多様化する消費者ニーズなども背景に、ECはユーザーにとって利便性が高い手段です。
そのため、昨今のサプリメントの販売チャネルはEC販売が中心となっており、送料を抑えるために「メール便対応サイズ(厚さ3cm以内)」の平袋やチャック袋がよく採用されています。
・環境に配慮されたパッケージ
環境意識の高い層に向けた「バイオマスインキ」や「リサイクルフィルム」の採用も進んでいます。これらの採用を通じて消費者へアピールでき、ブランド価値を高められます。
バイオマスインキ:
植物などを利用した生物由来のインクです。従来の石油由来の印刷用インクと比べて化石燃料の節約やCO2排出量削減が可能になり、環境への配慮につながります。
リサイクルフィルム:
リサイクル原料を含むリサイクルフィルムを採用することで、資源の無駄を極力なくし、CO2排出量の削減につなげることができます。
サプリメントパッケージのデザインに必要な要素4選
これまでご説明してきた内容を踏まえて、サプリメントのパッケージのデザインに必要な要素として次の4つが挙げられます。
1. ターゲットとコンセプトの明確化
まず「誰にどんな価値を届けるか?」というコンセプトを明確に定めることが、成功するパッケージ制作の第一歩です。サプリメントはターゲットの属性や使用目的によって、好まれるデザインのトーンが劇的に変化するため、ここがブレてしまうと誰の目にも留まらない製品になってしまいます。
例えば、美容意識の高い女性向けであれば、そのサプリメントを自身の生活圏内に置きたくなる、トレンド感のあるニュアンスカラーや、ミニマルで洗練された世界観が求められます。
一方で、パフォーマンス向上を狙うアスリート向けであれば、力強い太字のタイポグラフィやコントラストの強い配色で「即効性」や「強さ」を直感的に伝えるパッケージデザインにする必要があります。
中高年層をターゲットにしたサプリメントの場合は、何よりもまず「安心感」と「視認性」が優先され、落ち着いた配色とともに、読みやすく整理されたレイアウトが適切です。
このように、制作プロセス全体を通じてサプリメントの明確なターゲット像を軸に据えることで、迷いなくパッケージデザインの方向性を決定でき、結果としてターゲットの心に確実に届くサプリメントのパッケージを提供することが可能になります。
2. 販売チャネルに合わせた「見せ方」の最適化
サプリメントの販路は近年EC(オンライン販売)の割合が急速に高まっており、店頭販売とEC販売では、同じサプリメントでもパッケージに求められる役割が大きく異なります。そのため、自社サプリメントのメインチャネルがどこにあるのかを見極め、それぞれの環境に最適化したパッケージデザインを検討する必要があります。
実店舗での販売では、数多くの競合品が並ぶ棚の中で「まずパッケージを手に取ってもらう」ためのアイキャッチ力が重要です。
一方で、EC販売においては、ユーザーはスマホ画面の小さなサムネイル画像で商品と出会います。このため、パッケージに求められるのは細かな文字よりも「一目でその商品だとわかる配色」や「成分名・ロゴの圧倒的な視認性」です。これらを意識したデザインがクリック率を左右する大きな要因となります。
ECの場合、商品ページ内で詳細なテキスト説明や図解を添えられるため、パッケージ単体ですべてを説明しきる必要はありません。その分、パッケージには「ブランドの世界観」を象徴させる役割を持たせ、商品を手にした時の質感や開封体験を通じて、顧客満足度やリピート率を高める戦略が有効です。
さらに、ECでは複数の写真を掲載できるため、パッケージだけでなく、サプリメントの粒の大きさや、実際の利用シーンを切り取ったライフスタイル画像を充実させることで、使用後のポジティブなイメージをより具体的に想起させ、購買意欲を後押しすることが可能になります。
3. 食品としての安心感
サプリメントは身体に取り入れる「食品」の一種であるため、パッケージデザインから受ける安心感や清潔感は、購買決定における極めて重要なファクターです。まずは信頼を想起させる配色をベースに据え、食品としての確かな品質と安全性を印象付けることが大前提となります。
サプリメントのターゲットや目的に合わせた色使いの重要性は前述の通りですが、個性を出そうとするあまり、食品パッケージとして不適切なトーンに陥らないよう注意が必要です。例えば、自然界において毒や腐敗を連想させるような極端に彩度の高い紫や、食欲を減退させるような濁った色調などは、サプリメントの安全性・信頼感を損ねる可能性があります。
また、化学的なイメージが強すぎる配色も、毎日の習慣としてサプリメントを摂食する消費者にとっては心理的なハードルとなる場合があります。
どれほど高い機能性を持つサプリメントであっても、あくまで「口にするもの」であることを忘れず、食品としての安全性を感じさせるパッケージデザインを維持することが、長期的なブランドの信頼構築に繋がります。
4. 必須表示事項とデザインの両立
前述の通り、法規制に適合した表現・文言を意識する必要がありますが、同時にデザイン性を損なわずに実現することも欠かせません。
自社だけですべてに対応するのはむずかしいでしょう。その場合には、サプリメントパッケージを得意とするデザイン会社に相談するのをおすすめします。その際には、この4つを意識して相談を進めると良いでしょう。
サプリメントパッケージのデザイン例ご紹介!
これまでご説明してきた内容を踏まえ、弊社制作のサプリメントパッケージのデザインと、ポイントをご紹介します。
「溢れる情報から、必要な栄養素を直感的に選べるパッケージ」
商品や情報が煩雑になりがちなサプリメント・健康食品の売り場において、消費者が「自分に必要なもの」を迷わず的確に選べるデザインを目指しました。無駄を削ぎ落としたシンプルな構成の中に、摂取できる栄養素を大きな文字で配置。一目で商品のベネフィットが伝わる、直感的な視認性を大切にしています。成分に合わせたカラー展開(シリーズ化)にも柔軟に対応できる設計です。
夜を連想させる深いネイビーをベースカラーに使用し、睡眠をイメージしやすい落ち着いた雰囲気を演出しました。
主役には水彩絵風の可愛らしい小動物を採用し、親しみやすさや癒しの印象を与えることで、思わず手に取りたくなるデザインを目指しています。
また、動物や背景色を変更することでシリーズ化しやすい構成とし、ブランドとしての統一感と展開性も意識しました。
20~30代の手軽に美容ケアを続けたい女性をターゲットとして想定しています。「やさしくてかわいい」「安心感」「毎日気軽に続けられそう」といった印象を感じてもらえるデザインを目指しました。
淡いブルーとホワイトをメインカラーに手描きイラストを配置し、タイトルロゴでサプリメントとしての機能性をわかりやすく伝え、親近感ややさしい雰囲気、リラックス感を演出しています。
まとめ
サプリメントは、形状などのさまざまな条件で最適なパッケージが変わります。同時にデザインも含めれば検討事項が多くなります。法規制への対応も考慮する必要があるため、経験とノウハウが求められるでしょう。
丸信であれば、最適なパッケージ形状・素材・デザイン、全部ワンストップで制作可能です。食品表示に関する法規への対応についてサポートも可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
サプリメント袋