パッケージリニューアルとは?
パッケージリニューアルとは、商品のパッケージの形状や素材を変えたり、見た目のデザインを変えたりすることを指します。
またラベルシールを貼っている商品は、ラベルのデザインを変えることもパッケージリニューアルに含まれます。
いずれの場合も、既存商品のパッケージを新たなものに作り替える取り組み全般を指しています。
パッケージリニューアルのメリット・デメリット
パッケージリニューアルを行うことは、必ずしもプラスになるわけではありません。マイナス要素もあるからです。そのため、プラスとマイナスの両方をあらかじめ把握しておくことが重要です。
パッケージリニューアルのメリットとデメリットそれぞれを確認しておきましょう。
メリット
・ブランディング強化
一つ目はブランディングを強化できる点です。長年同じパッケージを継続することは、既存顧客にとっておなじみの商品という印象を与え、買い間違いを防ぎ、リピート購入につながります。
しかし、日々、新しい商品が生まれていく中で、競合他社の商品に埋もれてしまい、従来あった差別化要素が通用しなくなってしまうこともあります。また競合他社の新しい商品と比べられたときに、古臭い印象を与えてしまう恐れもあります。
そのため、パッケージリニューアルを行うことで訴求内容を変更したり、差別化要素を強化または変更したり、視認性を高め、改めて顧客の興味を喚起したりすることで、ブランディング強化を実現できます。
・新規顧客獲得
市場ニーズは多くの場合、時代の流れとともに変化していくものです。以前は受け入れられてきたパッケージであっても、ニーズとズレてしまっていることもあります。そのような場合は、改めて市場ニーズを把握し、パッケージの設計をし直すことで、新規顧客の獲得につながります。
デメリット
・既存顧客離れの恐れ
パッケージをリニューアルすると、これまで愛用していた既存顧客が離れてしまう恐れがあります。なぜなら、既存顧客は現在のパッケージが気に入って購入していることもあるためです。特に利便性を感じていた場合には、その利便性が損なわれることで不満やクレームを生んでしまう恐れもあります。
またパッケージをリニューアルしたことで、「既存商品がなくなってしまったのではないか」と不安にさせてしまったり、売り場で気づいてもらえなかったりする恐れもあります。いずれにしても、既存顧客が離れてしまうリスクは想定しておかなければなりません。
・コストと手間
パッケージリニューアルの際には、新しいパッケージの設計や開発、デザイン、素材の調達、製造工程の作り直しなどの刷新とともにコストがかかります。また、旧パッケージ商品の製造停止と移行に関する時期や調整等に手間がかかります。
パッケージリニューアルを検討するべき5つのタイミング
パッケージリニューアルは、様々なタイミングで実施されています。これから実施する際には、良きタイミングを見計らって行うのもおすすめです。例えば、次の5つのタイミングはリニューアルを検討するべき良い機会です。
1.周年
メリット:リニューアルの理由への納得感が高く、好印象を与えやすい
ブランド設立10周年や商品を発売してから50年など、節目となる周年にパッケージをリニューアルすることは最も理想的といえます。なぜならパッケージリニューアルは、既存顧客の一定の心理的抵抗を生むためです。
「10周年のためにリニューアルしました」などとリニューアルの理由を打ち出すことで、既存顧客の納得感を高め、心理的抵抗を低減できます。
2.売り上げ低迷
メリット:売り上げアップを目指したパッケージの最適化が可能になる
商品の売り上げが低迷しているときは、パッケージリニューアルを検討する有効なタイミングです。低迷している原因が必ずしもパッケージにあるとは限りませんが、全体の最適化の一つの要素として、パッケージリニューアルは有効に機能するでしょう。また、売り上げアップを目指した視点でパッケージを再設計すること自体も有効といえます。
3.ターゲット変更
メリット:適切なターゲットに訴求できる
市場ニーズを把握し、戦略的にターゲットを変更することもあるでしょう。その際にパッケージをリニューアルすることで、適切なターゲットに訴求することができます。
4.法改正
メリット:法改正に対応できる
食品衛生法や食品表示法などの法に対応するために、パッケージの素材やラベル、表示などを変更する必要が出てくることがあります。その際、パッケージリニューアルが必要になることもあります。
法改正への対応を適切に行えるほか、ブランディング強化や新規顧客獲得などのメリットも合わせて得られます。
5.環境対応
メリット:SDGs(※)の推進や環境配慮の取り組みを実施可能
近年は、SDGsを経営に取り入れる企業が増えており、従来のCSR活動の強化としても、環境配慮の取り組みを率先して実施したい企業は多くあります。
パッケージを環境配慮の素材に変更するタイミングでパッケージリニューアルを進めれば、SDGsの推進や環境配慮の取り組みが可能になります。
(※)「Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標」。2016年から2030年の間に達成を目指す国際目標。
パッケージリニューアルのよくある失敗パターン
既存顧客の喪失
リニューアルを機に、トレンドを意識した現代的なデザインへ刷新した結果、その商品が長年築き上げてきた歴史や信頼感、ブランドアイデンティティまで消し去ってしまう失敗です。既存顧客は単に味だけでなくパッケージから醸し出される情緒的な価値にも愛着を持っています。これを安易に変えてしまうと、既存顧客はブランドへの愛着を失ってしまいます。自社の商品がお客様からなぜ選ばれているのかという強みを言語化し、守るべき要素を残しながら、時代に合わせるバランス感覚が必要です。
機能性の軽視
リニューアルの際、デザインの見栄えや包材コストの削減にばかり意識が向き、消費者が実際に自宅で使用するシーンのシミュレーションが不足してしまうケースです。以前より袋が手で破りにくくなったり、縦長になって冷蔵庫のポケットに入らなくなったといった小さなストレスは、食品のリピート購入を阻害する決定的な要因になります。食品は一度買って終わりではなく、日々の生活の中で何度も触れるものだからこそ、扱いやすさが評価に直結します。特に高齢化社会においては、ユニバーサルデザインの視点が不可欠です。見た目の美しさだけでなく、包材としての機能性を維持・向上させる検証を必ず行いましょう。
独自性の希薄化
女性向けだったけれど男性にも広げたいなどと、リニューアルを機にターゲットを広げすぎてしまう失敗パターンです。万人受けを狙ってあれもこれもと要素を盛り込んだり、逆に個性を消して無難なデザインに落ち着かせたりした結果、その商品が本来持っていた強みや独自性が薄まってしまいます。市場に類似品が溢れる現代において、特徴のない無難なパッケージは、売場で誰の目にも留まらないものになってしまいます。だからこそ誰に・どんなシーンで食べてほしいかを改めて議論し、ファンに深く刺さる独自の魅力をパッケージで表現することが大切です。
失敗しないためのパッケージデザインのポイント
パッケージリニューアルの際に失敗しないためには、次の点を押さえておくことをおすすめします。
ブランドアイデンティティの反映
考えられる失敗ケースとして、リニューアル後にブランドアイデンティティが薄れ、既存顧客が離れてしまうことが挙げられます。また、ただのデザイン刷新に終わってしまう失敗も懸念があります。
これらの失敗を防ぐためには、まずリニューアルの目的を明確にしましょう。主に次の目的があります。
・ブランドイメージ刷新
・売り上げアップ
・新しい市場への参入
・競合他社との差別化
・法改正対応
・環境配慮のパッケージへの刷新
また、既存顧客を引き続きターゲットとする場合には、変更する点と変更しない点の明確化も重要です。
これらの要素をしっかりと把握した後は、戦略的にパッケージデザインを設計していきましょう。
視覚的に魅力的なデザインを制作する
デザインの失敗ケースとしては、競合他社に視認性が劣ってしまい、売り上げが落ちてしまうことが挙げられます。また既存顧客から同一商品と認知してもらえなくなるリスクもあります。
対策として、あらかじめ競合他社の調査を徹底的に行い、比較の上で、差別化要素の強化または変更を進めます。視認性を高めるための工夫も欠かせません。
ブランドアイデンティティを反映しつつ、機能性と美しさを両立させたデザインを目指すことも欠かせません。
ただのデザイン刷新にとどまってしまう失敗を防ぐためにも、単に「綺麗なデザイン」を作るのではなく、パッケージの素材選びから加工や印刷技術、プロによるデザインなどにより、高品質なパッケージを制作することが重要です。
パッケージをデザインする際には、あらゆる要素を盛り込む必要があります。さらにデザイン性も求められます。そうなれば、自社ではなかなか難しいことがあるかもしれません。その場合には、パッケージ専門のデザイナーが在籍するサービスを利用するのもおすすめです。
法的要件と規制に注意する
パッケージデザインの設計の際には、法的要件と規制に注意して進める必要があります。
例えば、食品パッケージの場合、食品表示法に違反した不適切な表示は消費者の誤解を生み、健康被害につながる恐れがあります。また、デザインについては、他社のイラストを無断でコピー利用するなどの著作権侵害や、商品の品質を過大に謳うなどによる景品表示法違反の恐れがあります。
これらを未然に防ぐには、法律の全般的な知識が求められます。自社ではすべてに配慮することが難しいこともあるでしょう。その場合は、弁護士などの専門家に監修してもらうほか、法的要件や規制にまで配慮してデザインを行ってくれるパッケージデザイン会社をパートナーに迎え入れるのもおすすめです。
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まとめ
パッケージリニューアルのメリットやポイントなどを解説しました。パッケージリニューアルはブランディングの強化や新規顧客獲得など、従来の商品が抱えている課題を解決できる可能性がある一方で、既存顧客の離脱などが懸念されます。さまざまなメリットと課題を踏まえ、失敗しないためにぜひポイントを押さえて進めましょう。
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