冷凍食品のパッケージとは?必要な条件について
冷凍食品の品質を守るためには、常温商品とは異なる性能が必要です。例えば、次のような性能は必要不可欠です。
耐寒性
耐寒性とは、寒さに耐え得る性能です。冷凍食品は冷凍庫に長時間保存する必要があるため、耐寒性に優れている必要があります。耐寒性が低いパッケージの素材を使用してしまうと、割れたり、損傷したりする恐れがあるためです。
冷凍庫の温度は一般的にマイナス18~20度程度であるため、材質もその温度に耐え得るものを選ぶ必要があります。
耐衝撃性
耐衝撃性とは、瞬間的に大きな力を受けたときの耐久性を指します。食品パッケージに使われるフィルムなどの耐衝撃性が低いと、少しの衝撃で破けてしまう恐れがあります。
ピンホール耐性
ピンホール耐性とは、フィルムのような包装材に生じやすいピンホールへの耐性です。
何か針やとがったものと接触したり、摩擦が生じたりすると、針で刺したかのような小さな穴(ピンホール)が空くことがあります。見た目ではわかりにくいですが、ピンホール耐性の低い素材を使った袋が、輸送中に段ボールの側面にこすられることでピンホールが生じることは多々あります。
ガスバリア性能
一部の製品ではガスバリア性能が求められます。
ガスバリア性能とは、ガスを遮断する性能です。ガスバリア性能が低いと、酸素や窒素、炭酸ガスに接することで品質に変化が生じてしまいます。ガスバリア性能が高いと、食品の劣化を防ぎ、品質保持が可能になります。
冷凍食品のパッケージの種類~素材別・形状別
冷凍食品のパッケージは、一般的に次のような形状や素材が使われています。
冷凍食品によく使われるパッケージの形状
・三方袋
フィルムを2枚重ね合わせて、底と左右の側面の3ヶ所を熱溶着(シール)したものです。気密性・密封性に優れています。上部にチャックが付いたチャック付き三方袋もあり、消費者が一度に全部使い切らずに、少量をこまめに使う際の保存性を高めます。
・スタンドパウチ
底部にマチがついた袋状のパッケージで、立体的に自立する構造を持つのが特徴です。しっかりと立つため、パッケージ表面に印刷された写真やロゴ、キャッチフレーズ、デザインなどを通じて消費者へアピールしやすいのが特徴です。
・トップシール
四角の形状のトレーや丸いカップなどの容器に食品を入れ、上からトップシールを施す容器付きの冷凍パスタなどによく使われる形状です。「トレーシール」とも呼ばれています。トップシールにはデザインやキャッチコピーなどを施せば、宣伝効果やブランディングなどが可能になります。
・スキンパック
真空包装の一種で、食品の消費期限を延長できる保存性が高いのが特長です。真空状態にするため、ドリップが染み出てしまう恐れもありません。冷凍食品にスキンパックを利用すると冷凍焼けを予防しやすくなります。透明な袋にすれば、見映えが良いのも特長です。
冷凍食品のパッケージによく使われる素材
・NY(ナイロン)
耐衝撃性やピンホール耐性、酸素バリア性などに優れていることから、冷凍食品によく利用されます。ただし、ナイロン自体は熱で溶けにくく、袋の口を熱接着(ヒートシール)して密閉するのが困難です。そのため、熱で溶けやすいPE(ポリエチレン)などと組み合わせて利用されることが多いです。
・PE(ポリエチレン)
密閉性が高く、耐寒性に優れていることから冷凍食品によく利用される素材の一つです。密閉するためのシーラントフィルムとしてよく利用されます。
・PET(ポリエチレンテレフタレート)
ポリエチレンの一種で、耐寒性や耐熱性に優れている特長があります。また比較的加工しやすい点もメリットです。
・共押し出し多層フィルム
異なる特性を持つ複数の樹脂を同時に押し出すフィルムです。酸素や湿気を遮断する耐久性、バリア性、透明性などを有します。
冷凍食品のパッケージの最新トレンドと機能性
近年の冷凍食品ブーム・多様化する喫食シーンに合わせたパッケージが数多く生まれています。近年の最新トレンドを見ていきましょう。
・電子レンジ対応
袋のまま電子レンジ調理が可能なパッケージです。トレー入りで、レンジ調理後、そのまま喫食可能なものや、蒸気穴付きで冷凍庫から出してそのまま電子レンジに入れられるものもあります。
・環境配慮(SDGsへの貢献)
近年のSDGsなどへの貢献を追求する企業にとって、環境配慮が可能なパッケージも数多く生まれています。特に問題が深刻化する脱プラスチックの動きから、外袋のプラスチック素材をカットしたものや、代替素材を使ったものなどが採用されています。また環境負荷の少ない、生物由来のバイオマスインキの使用もトレンドの一つとなっています。
これらを企業がパッケージに採用することで、SDGsへの貢献や企業イメージ向上、ステークホルダーからの信頼獲得などのメリットが期待できます。
・チャック(ジッパー)付き
先にご紹介したように、袋にチャック(ジッパー)が付いている冷凍食品はトレンドとなっています。個食化、食品の多様化などを受け、冷凍食品の惣菜の大袋や野菜単独の商品などで利便性を高めることができます。保存性に優れており、日常使いしやすく、リピート需要が見込めるのも特徴です。
食品の種類別 適したパッケージとは?
素材や形状を解説してきましたが、食品の特性や消費者の利用シーンによって、最適なパッケージ形状や求められる条件は変わってきます。そこで食品の種類別に、最適なパッケージをご紹介します。
・惣菜やお弁当用惣菜など:個別トレー+三方袋
一般的な惣菜やお弁当用の惣菜は、ミシン目入りミニトレーを三方袋に入れる包装が一般的です。袋のまま電子レンジ調理はしないため、電子レンジ耐性は不要です。そのため、電子レンジ非対応のアルミ素材包装も多く見かけます。
三方袋は、チャック(ジッパー)付きを施し、利便性を高めている包装もよくあります。
・惣菜や野菜などの素材:大袋・チャック(ジッパー)付き
ストック需要狙いの惣菜や野菜などの素材を多く入れた商品です。重くなりがちであるため、強度が高く、中が見えるほうが大容量感が伝わり、購入につながりやすいといえます。
前述の通り、チャック(ジッパー)付きなど、利便性が高いことも購入の動機になり、消費者にとって購入後の品質を保持しやすくなります。
・個食ニーズ系食品:皿要らず・電子レンジ調理可
冷凍麺類、米飯類、ワンプレートといった個食ニーズ向けの商品は、「皿要らず・電子レンジ調理可」がポイントです。
電子レンジ耐性のある素材は必須であるのに加えて、形状については、麺類や米飯類はそのまま食べられるトレー入りが望ましいです。スープや液体が多めの食品の場合、スタンディングパウチ等、調理中・喫食時にこぼれにくいものが適しています。
・肉や魚などの生鮮食品:スキンパック
豚バラや鶏むね肉などのストック系の冷凍食品は大袋も見かけますが、高級魚やブランド肉などの高単価食材の場合「スキンパック」が最適です。
食材が鮮やかに見え、購入意欲増進につながる上に、ドリップの流出防止になります。またスキンパックは真空加工するため、空気が包装の内部になく、冷凍焼け防止になるなどのメリットが多く見込めます。
冷凍食品パッケージのデザインに必要な要素
続いては、冷凍食品パッケージのデザインに必要な要素をご紹介します。
視認性
冷凍食品はスーパーマーケットなどに陳列される場合、冷凍庫やストッカーに入れるのが一般的です。霜や結露が付きやすい売り場の特性上、視認性が高いことが特に重要です。特に伝えるべきは、「どんな商品なのか」「訴求ポイントとなる特徴」「調理方法」などが挙げられます。
シズル感
シズル感とは、簡単にいえば「美味しそうに見えること」を指します。食欲や購買意欲をかきたてる写真やキャッチコピーで表現できます。パッケージが見えにくい冷凍食品売り場において、まずは視認性を高める工夫として、写真を大きくインパクトのあるデザインにすることが必要です。
調理簡便性
製品の調理簡便性として、「レンジで〇分」「フライパンだけ」「トレー付でお皿不要」「解凍不要でお弁当に入れられる」等のアピールも、商品の訴求力を上げるでしょう。
保存性
消費者が自宅で商品を使用したり、保存したりする際に、扱いやすい要素も欠かせません。例えば、家庭の冷凍庫に収納しやすいパッケージサイズ、開封後の利便性を高めるチャック(ジッパー)付きなどの再開封性、トレーや個包装などの小分けによる利便性向上などが挙げられます。
まとめ
冷凍食品は、食品や喫食シーン、保存期間など、さまざまな条件によって最適なパッケージが変わります。それに加えて、パッケージにはデザインにも工夫を施す必要があります。他にも法的規制のある食品表示への対応も合わせると、検討事項が多いことがわかります。自社ですべてを対応するには負荷が高いとお感じの場合は、丸信におまかせください。
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冷凍食品袋(唐揚げ・コロッケなど)