軟包装・フィルム包装印刷の専門サイト 軟包装・フィルム包装.com

  • HOME
  • 基礎講座
  • 軟包装とは?種類や食品包装における機能を解説

軟包装フィルムとは

はじめに、軟包装フィルムについて分かりやすく解説します。

軟包装フィルムとは

軟包装フィルムとは、柔軟性のある薄いプラスチックフィルムを用いた包装材のことを指します。これに対して、重包装は硬い材料や厚手のフィルムを使用することが多く、主に重い物や壁紙、大型の製品を包装する際に用いられます。軟包装フィルムは、軽量であるため輸送コストを削減できるほか、製品の鮮度保持や品質維持に優れた特性を持っています。

 

軟包装フィルムは、食品、医薬品、日用品などさまざまな用途で使用されており、その種類や特性は多岐にわたります。以下では、代表的な軟包装フィルムの種類とその特徴、適用される場面について詳しく解説します。

軟包装の種類

1. OPP(二軸延伸ポリプロピレン)
OPPフィルムは、ポリプロピレンを二軸方向に延伸して製造されるフィルムです。この製造により、高い透明性と強度、防湿性を持つフィルムとなります。OPPフィルムは、食品包装やラミネートフィルムの基材として広く使用されており、食品ではスナック菓子や乾燥食品の包装に適しています。

 

2. CPP(無延伸ポリプロピレン)
CPPフィルムは、ポリプロピレンを延伸せずに製造されるフィルムです。OPPフィルムと比較すると、柔軟性が高く、シール性に優れています。これにより、食品や医薬品など、密封性が求められる場面で使用されることが多いです。また、CPPフィルムは耐熱性もあるため、レトルト食品などの電子レンジ対応の包装材としても利用されています。

 

3. PET(ポリエステル)
PETフィルムは、ポリエステル樹脂を原料としたフィルムで、高い透明性と優れた強度を持っています。また、ガスバリア性が高いため、酸素や水蒸気の透過を防ぎ、食品の鮮度保持に寄与します。特に、飲料ボトルのラベルや冷凍食品の包装に使用されることが多い素材です。

 

4. Ony(ナイロン)
ナイロンフィルムは、ポリアミド樹脂を原料としたフィルムで、特に耐ピンホール性や耐衝撃性に優れています。また、ガスバリア性も高く、真空包装や冷凍食品の包装に適しており、肉や魚の真空パック、チーズなどの加工食品の包装などに広く使用されています。

 

5. LLDPE(直鎖低密度ポリエチレン)
LLDPEフィルムは、直鎖低密度ポリエチレンを原料としたフィルムで、柔軟性が高く、引張強度や耐衝撃性に優れています。これにより、食品のラップフィルムやゴミ袋、農業用フィルムなど、さまざまな用途で使用されています。LLDPEフィルムは価格が比較的安価であるため、コストパフォーマンスに優れた包装材として評価されています。

 

6. VMCP/VMPET(アルミ蒸着)
VMCP(アルミ蒸着無延伸ポリプロピレン)およびVMPET(アルミ蒸着ポリエステル)は、フィルムの表面に薄いアルミニウム層を蒸着させたものです。このプロセスにより、フィルムは高いバリア性と光遮断性を持つようになり、食品や医薬品の品質保持や鮮度維持に使用されています。コーヒーやスナック菓子の包装に適しています。

食品における軟包装の機能

続いて、軟包装が持つ主な機能について整理して解説します。

保護機能

軟包装の主要な機能の一つは、食品を外部からの衝撃や汚染から守る保護機能です。軟包装は丈夫でありながら伸縮性も持ち合わせているため、パッケージ内の食品をしっかりと保護します。輸送中の振動や衝撃から食品を守ることで、商品の品質を維持することや、外部の汚染物質や微生物の侵入を防ぐことで、食品の衛生状態を保つ役割を果たします。

バリア機能

次に重要な機能は、酸素や湿気を遮断するバリア機能です。これにより、食品の鮮度を長期間保つことが可能となります。酸素や湿気は食品の劣化を引き起こす主な要因であり、これらを遮断することで保存性が大幅に向上します。真空パックやガス充填パックなどの軟包装は、酸素をほとんど含まず、食品の酸化を防ぐことで、賞味期限が延び、消費者に新鮮な状態で食品を提供することができます。

消費者への利便性

軟包装は消費者にとっても非常に便利なパッケージング方法です。透明な素材を使用することで、中身が見やすくなり、消費者は安心して購入することができます。また、開封が容易であるため、手間をかけずに食品を取り出すことができ、軽量で持ち運びがしやすい点も大きなメリットです。

環境への配慮

近年、包装材の環境への配慮がますます重要視されていますが、軟包装もその例外ではありません。リサイクル可能な素材や、生分解性素材の使用が進んでおり、環境負荷を軽減する取り組みが行われています。例えば、プラスチックフィルムの代わりに紙やバイオプラスチックを使用することで、廃棄物の減少に貢献しています。また、リサイクルシステムの整備により、使用済みの軟包装が再利用されることで、資源の有効活用が図られています。

軟包装の課題について

軟包装は、食品、医薬品、日用品などさまざまな製品のパッケージングに広く使用されている一方で、いくつかの課題も抱えていますので、軟包装の課題と今後の動向について詳しく解説します。

【課題】

●環境への影響

軟包装の最大の課題の一つとして、環境への影響が挙げられます。特に海洋汚染や土壌汚染の原因となっているプラスチックの廃棄物問題は深刻です。プラスチックは分解に長い時間がかかり、自然環境に放置されると、微小なプラスチック片が生態系に悪影響を及ぼすことがあります。
 
また、生分解性素材の不足も大きな問題です。生分解性プラスチックは、特定の条件下で自然に分解されるため、環境への負荷を軽減することを期待されていますが、現在市販されている生分解性プラスチックの種類は限られており、価格も高いため、広範な普及には至っていません。

 

●リサイクルの難易度

軟包装のリサイクルが難しい理由の一つに、素材の多様性があります。軟包装にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなど、さまざまな種類のプラスチックが使用されることもあり、これらの素材を分別し、適切にリサイクルするためには高度な技術と設備が必要です。
 
さらに、現在のリサイクルシステムにも問題があり、軟包装のリサイクルに対応していないリサイクル施設が多く、対応していても効率が悪いという問題があります。これは、軟包装が薄くて軽量であるため、収集や分別が難しいことが原因となっており、この原因により多くの軟包装はリサイクルされずに廃棄されてしまいます。

【今後の動向】

●脱プラスチック化とバイオプラスチックの開発

脱プラスチック化は、プラスチック使用を減少させるための取り組みとなり、再利用可能な素材やリサイクル可能な素材の使用も含まれます。特に注目されているのが、バイオプラスチックの開発です。バイオプラスチックは、植物由来の原料を使用して製造されるため、環境への負荷が少ないのが特徴で、最近では、トウモロコシやサトウキビから得られるバイオマスを原料とするポリ乳酸(PLA)などが開発されています。

 

●スマート包装

スマート包装も今後注目すべきパッケージ技術です。スマート包装とは、センサーや通信技術を組み込んだパッケージングのことで、これにより製品の品質管理やトレーサビリティ向上が期待されます。例えば、食品の鮮度をリアルタイムで監視するセンサーや、製品の流通経路を追跡するQRコードなどが開発されています。

まとめ

本コラムでは、軟包装とは何か、種類の説明や食品包装における機能を解説しました。
丸信では、創業から50年以上のノウハウを活かし、包装資材の調達からパッケージの企画・提案、販促企画や広報支援、食品衛生や食品表示のサポートまで、幅広いソリューションでお客様の軟包材・包装フィルムの課題を解決いたします。お困り事がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

※QRコードは、(株)デンソーウェーブの登録商標です。

その他の基礎講座

お問い合わせ、
お見積もり、ご相談

どのようなこともわかりやすく説明します。

お電話・FAXでのお問い合わせ

0120-960-254
平日 9:00~17:00(定休日:土・日・祝日)
FAX番号 0942-45-2764