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食品の鮮度保持の重要性

はじめに、食品の鮮度保持の重要性について解説していきます。

食品の品質と安全性

食品の鮮度保持は、その品質と安全性を確保するために極めて重要です。まず新鮮な食品は栄養価が高く、風味も良いため、消費者にとって満足度が高いです。例えば、新鮮な野菜や果物はビタミンやミネラルが豊富であり、健康をサポートします。一方、鮮度が低下した食品は、栄養価が減少し、味も劣化してしまい、さらには、微生物の繁殖が進みやすくなることで、食中毒のリスクが高まります。したがって、食品の鮮度を保持することは、単に食品を長持ちさせることだけでなく、消費者の健康を守るためにも必要不可欠です。

経済的なメリット

鮮度保持は食品ロスを防ぐことが期待されています。食品が適切に管理されず、鮮度が低下することで廃棄されるケースが多々あり食品ロス問題は世界規模で問題視されています。食品ロス問題の対策としては、冷蔵庫や冷凍庫の適切な使用、適切な保存方法の実践、食品の購入計画を立てることなどが挙げられ、食品の無駄を減らし、経済的な損失を防ぐことが求められています。

 

また、企業や家庭におけるコスト削減にもつながります。食品が長持ちすることで、頻繁に新しい食品を購入する必要がなくなり、結果として食費を削減できます。さらに、食品が長持ちすることで、物流や保管の効率が向上し、企業にとってもコスト削減が期待できます。例えば、冷凍食品や保存食品を適切に管理することで、在庫管理の効率が向上し、無駄な廃棄を減らすことなどが挙げられます。

パッケージの重要性

パッケージは食品の鮮度保持において非常に重要な役割を果たします。適切なパッケージは、外部からの酸素や湿気、微生物の侵入を防ぎ、内部の環境を最適に保つことができます。たとえば、真空パッケージやガス充填パッケージは酸化を防ぎ、抗菌性のある素材を使用したパッケージは微生物の増殖を抑制します。また、湿度調整機能のあるパッケージは、水分管理をサポートすることができます。

食品の鮮度保持の基本

続いて、鮮度保持の基本として鮮度が劣化する原因と、その防止策を解説します。

温度管理

温度管理は食品の鮮度保持において最も重要なポイントです。特に青果物は、低温環境での保存が効果的で、低温にすることで、青果物の呼吸活動が抑制され、エチレンガスの発生が減少します。エチレンガスは熟成を促進するため、その生成を抑えることで鮮度を長期間保つことができます。その為、野菜や果物は一般的に0~5度の冷蔵庫で保存することが推奨されています。

酸化防止

酸化は食品の劣化を引き起こす主要な原因の一つです。酸化が進むと、食品の色、香り、味が変わり、品質が低下します。酸化を防ぐためには、酸素との接触を最小限に抑えることや酸素を窒素や二酸化炭素に置き換えることが有効な手段で、酸化の進行を遅らせることができます。

微生物の抑制

微生物の増殖も食品の劣化を引き起こす大きな要因です。微生物は温度、湿度、栄養分が揃った環境で急速に増殖します。これを防ぐためには、適切な温度管理と衛生管理が不可欠となります。具体的には、冷蔵や冷凍保存で微生物の活動を抑制することや、食品を取り扱う際には手洗いや調理器具の消毒を徹底することが重要です。さらに、抗菌性のあるパッケージ素材を使用して、微生物の増殖を防ぐことも可能です。

水分管理

水分管理も鮮度保持において重要な役割を果たします。食品の水分量が適切でないと、乾燥や過剰な湿気によって品質が劣化します。たとえば、青果物は適度な湿度を保つことで、しおれや乾燥を防ぐことができます。一方で、過剰な湿気はカビや細菌の繁殖を促進するため、湿度が高すぎないように注意することも必要です。湿度調整機能のある冷蔵庫や専用の保湿パッケージを使用すれば、適切な水分管理が可能となります。

鮮度保持袋・フィルムの技術をご紹介

食品の鮮度を長期間保つためには、適切な保存方法と技術が欠かせないことが理解いただけたかと思います。続いて、食品の酸化や劣化を防ぐ鮮度保持袋やフィルムの技術をご紹介します。

真空パッケージ

真空パッケージは、食品を密閉し、内部の空気を取り除くことで鮮度を保つ技術です。食品の酸化や微生物の繁殖を、酸素を除去することで防ぎます。
この技術は、生鮮食品や加工食品など、酸化による品質低下が懸念される商品に広く利用されています。

 

真空パッケージの利点は、酸化防止だけでなく、食品の風味や栄養価を維持する点にもあります。また、密閉状態が保たれるため、異物混入のリスクも低減され、消費者は安心して新鮮な食品を楽しむことができます。

ガス置換包装

ガス置換包装は、パッケージ内の酸素を窒素や二酸化炭素に置き換えることで、食品の鮮度を維持する技術です。酸素の代わりに窒素や二酸化炭素を使用することで、酸化反応を抑制し、微生物の繁殖を防ぐことができます。

 

この技術は、特に生鮮食品や冷蔵食品に適しており、例えば、サラダや果物、肉製品など、酸化による品質低下が問題となる食品に効果的です。ガス置換包装により、食品の色や風味、栄養価を長期間保持することが可能となります。

バリアフィルム

バリアフィルムは、酸素や湿気を遮断することで食品の鮮度を保つ技術です。フィルムの素材や構造により、外部からの酸素や湿気の侵入を防ぎ、食品の劣化を防ぎます。特に、酸素や湿気に敏感な食品に有効です。
また、食品の風味や食感を長期間維持することにも長けているため、チーズやコーヒー豆、スナック菓子など、多様な食品に使用されています。さらに、バリアフィルムは透明性が高いため、消費者が商品を確認しやすい点も魅力です。

乾燥・脱酸素剤

乾燥・脱酸素剤は、パッケージ内の湿気や酸素を吸収することで、食品の劣化を防ぐ技術です。スナック菓子、フリーズドライ食品、ナッツ類などに使用されることが多くあります。
また、吸湿・吸酸剤を使用することで、食品のカビや酸化による劣化を防ぎ、長期間新鮮な状態を保つことができます。

各食品に適した鮮度保持のパッケージ方法

最後に、各食品に適した鮮度保持のパッケージ方法を解説していきます。

生鮮野菜

生鮮野菜の鮮度保持には、適切な温度と湿度の管理が不可欠です。最も一般的な方法の一つは、ガス置換包装です。包装内の酸素濃度を低くし、二酸化炭素濃度を高めることで、野菜の呼吸を抑制し、鮮度を保つのに役立ちます。
また、エチレンガスの吸収剤の使用や、ナノテクノロジーを利用した抗菌フィルムも微生物の繁殖を抑え、野菜の腐敗を防ぐことで注目されています。

肉類

肉類の鮮度保持には、特に衛生管理が重要です。真空パックは、酸素が遮断されるため肉の酸化を防ぎ、微生物の繁殖を抑えることや、変色を防ぎ、鮮度が維持されるため広く使用されています。
また、酸素を窒素や二酸化炭素に置き換えることで、酸化を防ぎ、微生物の成長を抑制できるため、ガス置換包装も効果的です。

魚介類

魚介類は特に鮮度が重要視される食品の一つです。鮮度が落ちると、風味や食感が悪くなるだけでなく、食中毒のリスクも高まります。そのため、魚介類のパッケージには酸素、水蒸気、二酸化炭素などのガスの透過を極力抑える特性を持つ、高バリア性フィルムが広く用いられています。
これにより、魚介類の酸化を防ぎ、微生物の繁殖を抑えることができます。また、臭い漏れも防ぐことができるため、他の食品に臭いが移ることを防ぎます。

加工食品

加工食品においては、パウチが鮮度保持のための効果的なパッケージ方法として広く利用されています。パウチとは、柔軟性のあるプラスチックフィルムやアルミ箔で作られた密封袋のことです。これにより、食品が外部の空気や湿気から隔離され、鮮度が保たれます。

 

パウチの大きな利点は、軽量でありながら高い密閉性を持っている点です。これにより、輸送コストを削減できるだけでなく、食品の酸化を防ぎ、保存期間を延ばすことができます。また、パウチは耐久性が高く、破れにくいため、輸送中のトラブルを防ぐことができます。

 

さらに、パウチは加熱処理が可能なため、カレーやスープ等のレトルト食品に広く利用されています。加熱処理により、食品内の微生物を殺菌し、長期間の保存が可能になります。
また、パウチはパッケージデザインの自由度が高いため、製品の視認性を向上させるデザインや、消費者の購買意欲を高めるデザインがしやすくなります。

まとめ

本コラムでは、食品における鮮度保持の重要性から鮮度保持に使用されるパッケージの種類、適切な選び方まで解説してきました。上述の通り、食品の鮮度を保持するためには、食品の種類や保存条件に適したパッケージ選定が必要となります。
丸信では、創業から50年以上のノウハウを活かし、包装資材の調達からパッケージの企画・提案、販促企画や広報支援、食品衛生や食品表示のサポートまで、幅広いソリューションでお客様の軟包材・包装フィルムの課題を解決いたします。お困り事がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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