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野菜の鮮度保持の重要性

はじめに、野菜の鮮度保持の重要性について解説していきます。

鮮度保持とは

鮮度保持とは、収穫や製造から消費までの間に食品が持つ品質や栄養価をできるだけ長く保つための一連の方法や技術を指します。鮮度は食品の味や香り、食感だけでなく、安全性にも大きく影響を与えるため、鮮度保持は非常に重要な課題です。

野菜における鮮度保持の重要性

1. 消費者の満足度向上に伴いリピートにつながる
野菜の鮮度保持は消費者の満足度に直結します。新鮮な野菜は見た目が美しく、また、風味が豊かで栄養価が高いため、料理の味も引き立ちます。新鮮な野菜は、食事の質を向上させるため、顧客の満足度があがることでリピート購入につながるため、野菜の鮮度保持は販売者にとっても大きなメリットとなります。

 

2. 食品ロスの削減
野菜の鮮度保持は、食品ロスの削減にも大きく寄与します。日本では年間約600万トンの食品ロスが発生しており、そのうちの多くが家庭や外食産業から出ています。野菜の鮮度が低下すると、消費者は食べる前に捨ててしまうことが増えるため、食品ロスの一因となっています。
 
一方、鮮度が保たれた野菜は長持ちするため、消費者が購入後に捨てることなく使い切ることができます。これにより、家庭内での食品ロスが減少します。また、鮮度が高い野菜は、外食産業や食品加工業でも無駄なく使用されるため、業務用の食品ロスも削減されます。
 
近年では、鮮度保持技術の進化により、輸送や保管中の品質劣化を防ぐことができるため、生産者から消費者までのサプライチェーン全体での食品ロス削減にもつながっています。例えば、適切な温度管理や湿度管理を行うことで、野菜の鮮度を長期間保つことや、包装技術の向上により、酸素や湿気から野菜を守ることができ、鮮度を維持することができます。

野菜の鮮度が劣化する原因

新鮮な野菜の鮮度を長持ちさせるためには、野菜の鮮度が劣化する原因について理解しておく必要があります。以下にて、詳しく解説します。

エチレンガス

エチレンガスは、野菜や果物が自然に放出する植物ホルモンの一種です。このガスは、野菜の成熟や老化を促進する役割を持っています。例えば、トマトやバナナが熟れる過程で多くのエチレンガスを放出します。このエチレンガスが他の野菜に影響を与え、鮮度劣化を促進することもあります。エチレンガスの影響を抑えるためには、エチレンガスを多く放出する野菜や果物と、それに影響を受けやすい野菜を分けて保存することが推奨されます。

温度

温度管理は、野菜の鮮度保持において極めて重要な要素です。適切な温度で保存することで、野菜の呼吸活動を抑え、鮮度を長持ちさせることができます。一般的に、野菜は冷蔵庫内の低温環境で保存することが推奨されますが、冷えすぎると逆に品質が劣化することもあります。例えば、トマトやナスなどの熱帯性野菜は冷蔵庫の低温が苦手で、冷気によって味や食感が損なわれることがあります。一方、葉物野菜や根菜類は低温での保存が適しています。保存する野菜の種類に応じて、適切な温度管理を行うことが鮮度保持においては重要です。

水分管理

水分管理も野菜の鮮度保持において欠かせない要素です。野菜は多くの水分を含んでいるため、適切な湿度環境で保存することが求められます。湿度が低すぎると野菜が乾燥し、しおれてしまいます。一方、湿度が高すぎるとカビや腐敗の原因となります。また、野菜によっても適正が変わっていて例えば、レタスやほうれん草などの葉物野菜は湿度が高い環境での保存が適していますが、過度な湿気は避ける必要があります。湿度を適切に保つためには、湿度調整機能がある冷蔵庫の使用や、湿度を調整できる保存袋を活用することが効果的です。

野菜の鮮度保持におけるパッケージの役割と重要性

続いて、野菜の鮮度保持におけるパッケージの役割と重要性について解説します。

パッケージの役割と重要性

1. 鮮度保持
ご認識頂いている通り、パッケージやフィルムの最も重要な役割の一つは、野菜の鮮度を保持することです。適切なパッケージや袋は、野菜が収穫された瞬間から消費者の手に渡るまでの間、鮮度を最大限に保つための環境を提供します。例えば、プラスチックフィルムや特殊なバリアフィルムを使用することで、酸素や湿気の侵入を防ぎ、野菜の劣化を遅らせることができます。また、真空パックやガス置換包装といった技術を活用することで、野菜の呼吸を抑え、鮮度を長期間保つことが可能です。

 

2. 流通過程の保護
野菜は収穫後、さまざまな流通過程を経て消費者の手に渡ります。この間、輸送や保管中に外部からの衝撃や圧力、温度変化などによって野菜が傷ついたり、品質が低下したりするリスクがあるため、適切なパッケージは選定をすることでこれらのリスクから野菜を守る必要があります。クッション材を使用したパッケージや、温度管理ができる保冷パックなどがその一例です。

 

3. デザインでの消費者へのアピール
パッケージは単なる野菜の保護機能だけでなく、消費者へのアピール手段としても重要です。魅力的なデザインや使いやすいパッケージは、消費者の購買意欲を高める要素となります。例えば、透明なパッケージを使用することで、中身の野菜の新鮮さを視覚的にアピールすることや、エコフレンドリーな素材を使用したパッケージは、環境意識の高い消費者にとってアピールになります。さらに、パッケージに野菜の産地や栽培方法、栄養情報などを記載することで、消費者に安心感と信頼感を提供することができます。

野菜の鮮度保持における適切なパッケージ・袋の素材の選び方

ここまでで、野菜の鮮度を長く保つためには、適切なパッケージ素材を選ぶことが重要だと理解いただけたかと思います。最後に、野菜鮮度保持に適したパッケージ・袋の素材を紹介し、それぞれの特徴とどのような野菜に適しているかを解説します。

プラスチック包装

プラスチック包装は、野菜の鮮度保持において最も一般的に使用される素材の一つです。プラスチックは防湿性に優れ、酸素や二酸化炭素の透過を抑えることで、野菜の呼吸をコントロールし、鮮度を長く保つ役割を果たします。特に、葉物野菜やキュウリ、トマトなどの水分を多く含む野菜に適しています。

 

プラスチック包装のもう一つの利点は、透明性が高いため消費者が中身を確認しやすい点です。これにより、消費者が新鮮な野菜を選びやすくなります。

紙素材

紙素材の包装は、環境に優しい選択肢として注目されています。紙は通気性が良く、野菜の呼吸を適度に促すことで鮮度を保ちます。特に、ジャガイモやタマネギ、ニンジンなどの根菜類に適しています。これらの野菜は湿気を嫌うため、通気性の良い紙素材が適しています。

 

一方で、紙素材は防湿性が低いため、水分を多く含む野菜には不向きです。また、強度が低いため、重い野菜や長期保存には向いていない点も考慮する必要があります。

ガス置換包装

ガス置換包装は、野菜の鮮度を長期間保つための先進的な技術です。包装内の空気を窒素や二酸化炭素などのガスに置き換えることで、野菜の呼吸を抑制し、酸化を防ぎ、色や味を長く保つ効果があります。特に、カット野菜や果物に適しており、スーパーマーケットなどでよく見かける包装方法です。

バイオマス包装

バイオマス包装は、再生可能な植物資源から作られたエコフレンドリーな素材です。最近ではバイオマスプラスチックやバイオマス紙、バイオマスフィルムなど様々なバイオマス包装素材が開発されています。
例えば、バイオマスプラスチックは従来のプラスチックと同様の防湿性や強度を持ちながら、環境への負荷を軽減することができます。特に、エコ意識の高い消費者に支持されています。

 

バイオマス包装は、種類も増えおり、あらゆる野菜に適用されていますが、開発コストが高くなる傾向があり、環境への配慮とコストバランスを検討する必要があります。

その他

その他のパッケージ素材として、アルミホイルやガラス容器が多く使われています。アルミホイルは遮光性が高く、光による品質劣化を防ぐため、アスパラガスやブロッコリーなどに適しています。
一方、ガラス容器は再利用可能で環境に優しいですが、重くて割れやすいため、家庭での保存に向いています。

野菜の鮮度保持パッケージの選定ポイント

野菜の鮮度保持パッケージを選定する際のポイントを解説します。
 
コスト面
野菜の鮮度保持においてパッケージは必要不可欠ですが、機能性の高いパッケージは、コストが高くなる可能性があります。鮮度保持に長けたパッケージを導入する際は、長期的に見た場合に、鮮度保持による廃棄ロスの削減や、商品の価値が向上することによる売上の増加により、コスト削減にもつながるかを確認しておきましょう。パッケージにより鮮度保持期間が長くなったとしても、仕入れ量の調整をせず廃棄ロスを削減できなければ、コストは増加してしまうため、導入後の運用管理も重要です。
 
取り扱いやすさ
鮮度保持パッケージに限らずですが、取り扱いやすさも重要な要素となります。取り扱いやすいパッケージにすることで、包装作業をする際に野菜に触れる時間を短縮できることで、鮮度保持につながります。
また、軽量化されたパッケージを選定することで、商品の運搬や保管効率があがるとともに、作業者の負担も軽減できるため業務の効率化を図ることができます。
 
環境配慮対応
従来のプラスチック素材の代わりに、前述したバイオマス素材などを採用した最新の鮮度保持パッケージを使用することで、パッケージ自体の廃棄量の削減にも貢献します。
また、環境に配慮した鮮度保持パッケージを使用することは、企業の環境配慮の取り組みの一環となり、企業の社会的責任(CSR)としての評価され、消費者や取引先からの信頼につながります。

まとめ

本コラムでは、食品の中でも野菜における鮮度保持の重要性から鮮度保持に使用されるパッケージの種類、適切な選び方まで解説してきました。
上述の通り、野菜の鮮度を保持するためには、野菜の種類や保存条件に適したパッケージや袋の選定が必要となります。
丸信では、創業から50年以上のノウハウを活かし、包装資材の調達からパッケージの企画・提案、販促企画や広報支援、食品衛生や食品表示のサポートまで、幅広いソリューションでお客様の軟包材・包装フィルムの課題を解決いたします。お困り事がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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