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食品包装資材とは

はじめに、食品包装資材について分かりやすく解説します。

包装資材とは

包装資材とは、物品を包み、保護し、運搬しやすくするために使用される材料の総称です。包装資材には、紙、プラスチック、金属、ガラスなど、さまざまな素材が使われ、特定の用途や条件に応じて素材が選ばれます。例えば、紙は軽量でリサイクルしやすく、プラスチックは耐水性や耐久性に優れています。金属やガラスは、より高いバリア性を持ち、長期保存に適しています。

食品包装資材とは

食品包装資材とは、食品を保護し、品質を維持するために使用される材料や容器のことを指し、食品の鮮度を保つだけでなく、外部からの微生物や異物の侵入を防ぐ役割、食品の輸送や保管時に発生する物理的なダメージからも保護します。
また、食品包装資材には、消費者に対しての対する情報提供の役割もあります。製品のラベルには、成分表示や賞味期限、アレルゲン情報などが記載されており、安全性の確保と消費者の安心感を提供したり、デザイン性で視覚的に購買意欲を促したり、ブランドイメージの向上にも役立ちます。

食品包装資材の種類

続いて、食品包装に使用される資材の種類をご紹介します。

プラスチック包装

プラスチック包装は、軽量で加工が容易なため、食品包装に広く利用されています。以下に代表的なプラスチック素材を挙げます。

 

1. ポリエチレン(PE)

ポリエチレンは、柔軟性があり、耐水性や耐薬品性に優れているのが特徴です。食品包装では、冷凍食品の袋や牛乳パックの内側などに使用されます。

 

2. ポリプロピレン(PP)

ポリプロピレンは、耐熱性が高く、電子レンジでの使用が可能です。食品包装では、お弁当の容器やカップ麺の容器などに利用されます。

 

3. ポリ塩化ビニル(PVC)
ポリ塩化ビニルは、透明性が高く、強度も優れている素材です。ラップフィルムやボトルのキャップに使用されることが多いです。

 

4. ポリエチレンテレフタレート(PET)
ポリエチレンテレフタレートは、透明度が高く、ガスバリア性にも優れています。ペットボトルや食品トレイなどに広く利用されています。

紙・板紙包装

紙や板紙は、リサイクル性が高く、環境に優しい包装資材として近年注目されています。
以下に主な紙・板紙包装をご紹介します。

 

1. クラフト紙

クラフト紙は、強度があり、耐水性も持ち合わせているのが特徴です。パンやお菓子などの包装によく使用されます。

 

2. コート紙

コート紙は、表面にコーティングが施されており、印刷適性が高いのが特徴です。食品包装では、カップや箱の外装に利用されます。

金属包装

金属包装は、優れたバリア性と耐久性を持つため、長期保存が必要な食品に適している素材になります。以下にて、代表的な金属包装の素材をご紹介します。

 

1. アルミニウム

アルミニウムは、軽量で腐食しにくく、光やガスを遮断する効果があります。缶詰やお菓子の袋の内側に使用されることが多いです。

 

2. スチール

スチールは、強度が高く耐久性に優れている素材です。食品包装では、飲料缶や保存食の缶詰に利用されています。

ガラス包装

ガラス包装は、素材が化学的に安全なことが評価をされており、また、食品の風味や香りを保つのに適しているため、ジャムやソースの瓶、飲料ボトルなどに使用されています。

軟包材

軟包材は、柔軟なフィルムを用いた包装資材になっています。
以下にて、代表的な軟包材をご紹介します。

 

1. 単体フィルム包装
単体フィルムは、一層のフィルムで構成されており、軽量で取り扱いが容易です。お菓子やスナックの袋に使用されます。

 

2. 多層フィルム包装
多層フィルムは、複数のフィルムを重ねたもので、バリア性や強度を高くできるのが特徴です。冷凍食品やレトルトパウチ食品の袋に利用されています。

 

3. レトルトパウチ包装
レトルトパウチは、高温高圧で殺菌処理が可能な包装材で、長期保存ができる食品に適しています。カレーやスープ、パスタソースなどの食品に使用されています。

 

4. バイオマスプラスチック
バイオマスプラスチックは、植物由来の原料を使用しており、環境負荷軽減につながるということで注目されている素材です。食品包装では、カトラリーやトレイ、レトルト食品のパッケージに利用されることが増えています。

その他の特殊包装

食品包装資材には、上記の一般的な素材以外にも、特殊な機能を持つ包装が存在します。

 

1. 真空包装
真空包装は、食品の酸化を防ぎ、保存期間を延ばすための方法です。食品を袋に入れ、内部の空気を抜いて密封することで、細菌やカビの発生を抑えます。真空包装は、肉類や魚介類、チーズなどの保存に適しています。

 

2.ガス充填包装
ガス充填包装は、食品の酸化や腐敗を防ぐために、包装内部に特定のガスを充填する方法です。例えば、窒素や二酸化炭素を使用することで、食品の鮮度を保ちます。スナック菓子やカット野菜など、酸化しやすい食品に利用されます。

 

3. 冷凍・冷蔵用包装
冷凍・冷蔵用包装は、低温環境での保存に適した素材や技術を使用します。具体的には、耐寒性のあるプラスチックフィルムやアルミホイルが使用され、冷凍食品やアイスクリーム、冷蔵保存が必要なデリカ食品に適しています。

食品包装資材の役割

ここで、もう少し食品包装資材の役割を詳しく解説します。

保存性の向上

食品包装資材の最も重要な役割の一つは、食品の保存性を向上させることです。食品は時間とともに劣化しやすく、適切な包装がないと品質が低下し、消費者に安全に提供することが難しくなります。保存性の向上に重要になってくるのが「防湿性」と「防酸化性」です。

 

防湿性:湿気は食品の品質に大きな影響を与えます。例えば、湿気が多い環境ではカビが生えやすくなり、食品の風味や食感が損なわれます。防湿性の高い包装資材を使用することで、食品内部の湿度を一定に保ち、品質を長期間維持することができます。

 

防酸化性:酸素も食品の劣化を促進する要因の一つです。酸素が食品に触れると酸化が進み、風味や栄養価が低下します。防酸化性の高い包装資材を使用することで、酸素の侵入を防ぎ、食品の新鮮さを保つことができます。

輸送の便益

食品包装資材は、食品を安全に輸送するためにも重要な役割を果たします。輸送中に食品が破損したり、品質が低下したりすることを防ぐために、包装資材には「耐久性」と「軽量性」が求められます。

 

耐久性:輸送中に食品が受ける衝撃や圧力に耐えるためには、包装資材の耐久性が重要です。耐久性の高い包装資材を使用することで、食品が輸送中に破損するリスクを減らすことができます。

 

軽量性:軽量な包装資材を使用することで、輸送コストを削減することができます。特に長距離輸送や大量輸送の場合、軽量な包装資材を選ぶことでコスト削減に繋がり、経済的なメリットが大きくなります。

消費者への情報提供

食品包装は、消費者に対して重要な情報を提供する役割も果たします。包装には「一括表示ラベル」や「成分表示」が記載されており、消費者が食品を選ぶ際の重要な判断材料となります。

 

一括表示ラベル:一括表示ラベルには食品の名称、製造元、賞味期限、保存方法などが記載されており、これらの情報は消費者が食品を安全に消費するために必要不可欠です。

 

成分表示:食品に含まれる成分や栄養価が記載されています。アレルギーを持つ消費者や特定の栄養素を気にする消費者が、自分に合った食品を選ぶことができるためにも重要な役割になります。

環境への配慮

近年、環境への配慮がますます重要視されていますが、食品包装資材もその例外ではありません。リサイクルの可能性や持続可能性を考慮した包装資材の使用が求められています。

 

リサイクル性・持続可能性:リサイクル可能な包装資材を使用することで、廃棄物の削減に貢献できます。例えば、プラスチック製品の代わりに紙やバイオプラスチックを使用することで、環境負荷を軽減することができ、地球環境の保護に貢献できます。

食品包装資材の選び方

ここまでは、食品の包装資材の種類や役割をご紹介してきました。
最後に、食品包装資材の選び方のポイントを解説します。

食品の種類に応じた選択

食品包装資材を選ぶ際には、まず食品の種類に応じた適切な資材を選ぶことが重要です。生鮮食品、加工食品、冷凍食品など、それぞれの特性に応じて最適な包装資材が異なります。

 

1. 生鮮食品
生鮮食品は鮮度が命です。酸素や湿気に敏感であるため、酸素バリア性や湿気バリア性の高い包装資材を選ぶことが求められます。例えば、真空パックやガス充填包装のように、酸化を防ぎ、鮮度を長時間保つ包装が適しています。

 

2. 加工食品
加工食品は、保存期間が長くなることが多いため、長期間の保存に適した包装が必要です。缶詰やレトルトパウチなどのように、熱処理に耐え、長期間の保存が可能な包装が適しています。また、加工食品は異なる温度条件で保存されることもあるため、温度変化に対応できる包装資材が求められます。

 

3. 冷凍食品
冷凍食品には、低温環境での保存が前提となるため、低温での耐久性が求められます。冷凍に適したポリエチレンフィルムやアルミ箔は、冷凍焼けを防ぎ、品質を保持するのに最適です。

コストと効率のバランス

食品包装資材の選定において、コストパフォーマンスも重要な要素です。高価な資材を使用すれば品質は向上しますが、コストが増加し、最終的には製品価格に影響を与えます。したがって、コストと効率のバランスを考慮することが必要です。
また、包装資材のコストは、材料費だけでなく、加工費や運搬費なども含まれます。例えば、軽量で強度の高いプラスチックフィルムは、運搬コストを削減できるため、総合的なコストパフォーマンスが高いと評価されることがあります。また、リサイクル可能な資材を使用することで、環境負荷を軽減しながらコストを抑えることも可能です。

法規制と安全性

次に法規制と安全性も欠かせない要素です。食品衛生法や業界基準に適合した資材を使用することで、消費者の安全を確保し、法的なトラブルを避けることができます。

 

1. 食品衛生法
日本では、食品衛生法に基づき、食品包装資材に関する厳格な規制が設けられています。例えば、食品に直接触れる部分には、特定の化学物質が含まれていないことが求められます。これにより、食品への異物混入や化学物質の移行を防ぎ、安全性を確保します。

 

2. 業界基準
業界基準を考慮することも重要です。業界団体が設定するガイドラインや基準に従うことで、品質と安全性を高めることができます。参考情報になりますが、プラスチック製品に関する基準や、リサイクル可能な包装資材の使用に関するガイドラインなどが存在するため、チェックしておくのがおすすめです。

まとめ

本コラムでは、食品包装素材の概要や種類、選び方のポイントをご紹介しました。
丸信では、創業から50年以上のノウハウを活かし、包装資材の調達からパッケージの企画・提案、販促企画や広報支援、食品衛生や食品表示のサポートまで、幅広いソリューションでお客様の軟包材・包装フィルムの課題を解決いたします。お困り事がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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